掲載記録


1999 ドールフォーラムジャパンVol.22

ドールフォーラムジャパン

DFJ
22号 REVIEW p26

伽井丹彌人形展 ─人形譚 ─
TEMPORARY SPACE(札幌)

伽井丹彌は人形が映し出す人の心、目に見えない感情や気配のようなものを、人形のみならず他者の目を通して様々な形で伝えられればと思い「人形譚」というテーマで写真家や映像作家とのコラボレーションを行ってきた。作者の中でひとつの締めくくりのつもりで行われた今回の札幌展の会場は、現代美術の展示を専門に行う会場で、白塗りの壁以外は何もない空間だった。四人の写真家による膨大な人形の写真は、それぞれ一冊ずつアルバムに納め会場入口横に並べた。新作を含む一二〇センチメートル大の裸体の人形を、三方の壁に一体ずつ配置したことによって、人は会場に入ったときに人形と向かい合い、囲まれ、その空間に緊張感が生まれた。映像作品から流れる音楽の効果もあり独特な異空間を演出するのに成功た。
人形は、指も動かせる球体関節人形で、血管の透ける肌合いを工夫した。今回はそれぞれ仕上げの塗料や塗装方法を変えたことで、一体ずつ違う触感になった。(手紙取材により小川千惠子)



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